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基準5 教育内容及び方法

 

(1)観点ごとの自己評価

 

<準学士課程>

観点5−1−1: 教育の目的に照らして,授業科目が適切に配置(例えば,教養教育及び専門教育のバランス,必修科目,選択科目等の配当等が考えられる。)され,教育課程の体系性が確保されているか。

 

【観点に係る状況】

  本学は,教育基本法及び学校教育法の趣旨にのっとり,広く教養を深め,看護,介護及び幼児教育に関し,専門の知識と技能を深く教授研究し,良き社会人とし て,地域社会における保健医療,福祉の増進と幼児教育の振興に寄与する有為な人材を育成することを目的としている。また各学科・専攻科がそれぞれ,専門性 に応じたより具体的な教育目的と教育目標を掲げている(別添資料5−1:『学生便覧』参照)。

 看護学科は,社会における看護の役割を認識し,幅広い教養と豊かな人間性を養い科学的思考に基づいた看護専門職としての基礎的能力を習得させることを教育目的としている。

看護学科の教育課程は,保健師助産師看護師学校養成所指定規則に基づき編成している。現在のカリキュラムは,平成9年指定規則の改正により編成したもので,「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」により構成している。卒業要件は100単位以上,3,350時間である。卒業要件単位は,「基礎分野」は必修科目9単位,選択科目8単位以上で計17単位以上,「専門基礎分野」は必修科目21単位,「専門分野」は,看護学を7領域に分類し,それぞれ講義と実習で構成し,講義は必修科目39単位,臨地実習は23単位計62単位である。平成17年度から,医療現場の変化や学生の能力の変化に対応するため,「医療情報」等科目の新設と「病態治療学」等科目の細分化,教育方法の明確化,総時間数の減少等カリキュラムを一部改正し,卒業要件を104単位3,300時間とした(別添資料5−2:『学修ハンドブック』,5−3:「看護学科教育計画(科目構成図)」参照)。

幼 児教育学科は,幼児教育に関する専門的な理論と実際的な技能を教授研究し,保育者であるとともによき社会人として,幼稚園・保育所・福祉施設などの質的充 実・発展につくすとともに,地域における保育の振興に寄与することのできる人材の育成を目的としている。幼児教育学科では,幼稚園・保育所・福祉施設など の質的充実・発展,地域における保育の振興に寄与することのできる人材養成という目的のもとに,保育士登録資格科目をベースに,幼稚園教諭2種免許を同時に取得できるカリュキュラムを構成している。設置している授業科目・単位総数は,児童福祉法及び教育職員免許法に基づく,合計67科目110単位である。その内,教養教育科目は13科目24単位,専門教育科目は54科目86単位(うち選択科目は22科目32単位)である(別添資料5−2参照)

  地域福祉学科は,地域社会における介護の役割とは何かを理解しながら,より広角的に介護を展開し,実践できる基礎能力を養うことを目的としている。地域福 祉学科の教育課程は,介護福祉士養成施設等の指定基準に基づく科目(社会福祉士介護福祉士学校職業能力開発校等養成施設指定規則第7条第3項で定められた別表第4の介護福祉士養成カリキュラム,以下「指定科目」という)及び地域福祉学科の教育目的・教育目標を達成するために必要な授業科目を基礎科目・専門教育科目に配当し,短期大学設置基準に則り体系的な編成を行なっている。

基 礎科目は,「指定科目」の教育内容に示された,人間とその生活および専門分野の基礎的な理解を目的とし,併せて本学教養教育の目的である,流動化する社会 に柔軟に対応することのできる人材育成を盛り込んだ編成内容としている。科目群として,「基礎的科目」「外国語科目」「保健体育科目」「情報化社会関連科 目」を配して,人間,自然,社会,文化,環境,情報,健康,体育,外国語を組み合わせて幅広く学習できるシステムとしている。必修科目は4科目6単位,選択科目は11科目20単位,合わせて15科目26単位から構成されている。なお,必修科目4科目6単位135時間を「指定科目」の基礎分野に充当させており,これは指定基準で求められた時間数120時間を充足するものである。また,基礎科目については卒業要件単位数を7単位以上としている。専門教育科目は43科目98単位から構成され,その内24科目62単位が「指定科目」である。「指定科目」に加え,社会福祉・介護福祉に関する科目を10科目18単位,人文・社会科学系の関連科目を8科目16単位,また「地域福祉研究」2単位を設けて,学習の総括と応用・発展を図っている。必修科目は28科目70単位,選択科目は15科目28単位である。専門教育科目の卒業要件単位数は76単位以上であり,基礎科目の7単位を合わせた83単位以上の修得が卒業要件となる。83単位修得の場合,最大時間数は1,995時間となり,介護福祉士養成施設の卒業要件時間数(2,000時間以内)の基準を満たしている(別添資料5−2参照)。

 

【分析結果とその根拠理由】

看 護学科においては,良き社会人として,また,看護専門職として幅広い教養と豊かな人間性を養い,対象を多面的に理解するという教育目的を達成するため, 「基礎分野」に多くの科目を置いている。また,選択科目については,より多くの科目履修ができるように,時間割を作成している。「専門基礎分野」と「専門 分野」は,すべて必修科目とし,基礎的知識や技術の習得科目を12年次に置き,領域実習を統合科目として3年次に位置づけ,段階的に構成している。このことは,科学的思考に基づいた看護専門職としての基礎的能力を習得するという教育目的に合致しており,教育効果を考慮した妥当性のある適切なカリキュラムといえる。

幼児教育学科では,「観点に係わる状況」で述べた目的および教育目標に照らして,特に表現する力と実習指導の充実を中心にカリキュラムの体系を整えている。また,上に記載した選択科目数の内訳により,授業科目の配置は適切であると考える。

地 域福祉学科では,適宜カリキュラムの検討を行ない,必要に応じて見直しを実施してきた。介護福祉士養成に係わる諸法規類の制約から,カリキュラムに独自性 を創出することは難しいが,そうした状況にあって,学科の教育目標に適合した,本学独自のカリキュラムを策定している。「指定科目」外にも社会福祉・介護 福祉に関する科目,あるいはその他の関連科目を幅広く開講していることは,教育目的・教育目標に掲げられた人材の育成に貢献する取り組みである。

以上より,適切な授業科目の配置がなされていると判断する。

 

 

 

観点5−1−2: 授業の内容が,全体として教育課程の編成の趣旨に沿ったものになっているか。

 

【観点に係る状況】

看護学科では,『基礎分野』の教育内容は科学的思考の基盤,人間と人間生活の理解である。「生物学」(平成17年度からは「自然科学?T」)を必修とし,「医用英語」(同17年度からは「英語?U」)を設けているのが特徴である。『専門基礎』の教育内容は,人体の構造と機能,疾病の成り立ちと回復の促進,社会保障制度と生活者の健康についてである。『専門』は,看護学をライフサイクル別に7領 域としている。「地域看護学」は,指定規則の「在宅看護論」に相当する科目である。「精神看護学」「地域看護学」は,生命の尊重と人間の尊厳を基に,生活 している人を対象としてとらえ,看護の場の理解を深めることをねらいとして,開学時より開講している特色ある科目である。臨地実習目標は,健康問題を科学 的に査定し,個別性のある看護を行えることとし,123年次に段階的に配置している。「看護研究」はゼミ方式で行い,論文としてまとめ,発表会を行っている(別添資料5−2参照)。

幼 児教育学科では,上述の教育目的に照らし,また,幼稚園教員養成課程と保育士養成課程の整合性にかんがみながら,以下のような教育課程を編成している。よ き社会人として保育の振興に寄与する人材育成のために,「教育総合セミナー」(幼稚園教員養成課程)では,現代的な課題について少人数による討議中心の授 業を展開し,「総合研究」では,各自の関心に応じた教育・福祉の課題に関する卒業研究を実施している。保育士養成課程においては,厚生労働省が示すシラバ スに依拠して各教科目の教育内容を編成している。保育福祉の現場を意識して,理論と実際的な技能を関連づけて学ぶために,多くの教科目において,グループ ワークや調査,プレゼンテーション,作品制作が取り入れられている。「社会福祉援助技術」「保育課程総論?T」「精神保健」などでは,グループワークやディ スカッション,「保育原理?U」「発達心理学演習?T・?U」「幼児心理学演習」「教育心理学」「保育課程総論?U」「乳児保育?T・?U」「音楽?U・基礎音楽?U」な どでは,調査とレポートまたはプレゼンテーション,「『表現』指導法(身体表現,造形表現,表現技術,総合表現等)」などでは,作品の制作を行っている。 「教育実習指導」「保育実習指導」においては,現場経験がある複数の非常勤助手が授業に加わることで,少人数指導を実現している。教科専門科目の音楽関連 科目では,必修・選択あわせて6科 目を設置しており,保育の質的充実・地域貢献に寄与することができる人材養成という趣旨から,音楽の専門教養的な器楽演習・音楽理論系内容のみならず,そ れらをベースに,幼児の音楽的活動の理解,保育現場の音楽活動構成・音楽教材論まで踏み込んだ科目構成としている(別添資料5−2参照)。

地域福祉学科の授業内容は,「指定科目」については「介護福祉士養成カリキュラム」(社会福祉士介護福祉士学校職業能力開発校等養成施設指定規則第7条第3項で定められた別表第4)に示された内容,及び「介護福祉士養成施設等における授業科目の目標及び内容」(昭和63212 社庶第26 各都道府県知事あて 厚 生省社会局長)に準拠したものである。「指定科目」外のうち,基礎科目の「社会学」「心理学」「法学」及び専門教育科目の社会福祉・介護福祉に関する科目 である「地域福祉論」「社会保障論」「児童福祉論」「公的扶助論」は,「社会福祉士養成施設等における授業科目の目標及び内容」(前記 社庶第26号) に基づき,地域福祉学科の教育目的・教育目標及び本学教養教育の目的を加味した内容構成となっている。人文・社会科学系の関連科目である「生活文化史」 「現代社会論」「地域文化論」「地域文化演習」「音の文化論」「人間関係論」「コミュニケーション論」「環境音楽論」は,一人ひとりの高齢者によりよい今 日と明日を提供することのできる,豊かな感性と教養を兼ね備えた介護福祉士の育成,及び「暮らし」をキーワードとした新たな介護福祉を実現する上に必要で あると考えられる内容を盛り込んだ構成となっている(別添資料5−2参照)。

各学科の教育内容については,別添資料5−4:「教育内容の概要」に示す。

 

【分析結果とその根拠理由】

看護学科では,それぞれの分野に必要な科目が配置してあり,教育課程の編成の趣旨に沿ったものといえる。

 幼児教育学科では,それぞれの分野に必要な科目が配置してあり,教育課程の編成の趣旨に沿ったものといえる。過密な教育課程の中,各教科目担当者間で連携して課題内容を精選することが必要と考えるが,充実した教育内容を備えていると判断できる。

  地域福祉学科では,「指定科目」の授業内容は,介護福祉士養成に求められる法規類に準拠しており,「指定科目」外のうち,社会福祉士養成に係る授業は該当 法規類に示された授業内容に基づいている。その他の科目は,地域福祉学科の教育理念・目的に即した授業内容であり,全体として教育課程の編成の趣旨に沿っ たものとなっている。

 

 

観点5−1−3: 授業の内容が,全体として教育の目的を達成するための基礎となる研究活動の成果を反映したものとなっているか。

 

【観点に係る状況】

看 護学科では社会における看護の役割を認識し,幅広い教養と豊かな人間性を養い科学的思考に基づいた看護専門職としての基礎的能力を習得することを目的とし ている。関連する研究活動として看護の基盤となる基礎看護学では,一日実習での学びをまとめ,初学段階から専門職の役割を認識できるように方向付けをして いる。また,褥瘡発生のメカニズムに関する研究活動の成果を,援助技術論?Uや臨床看護学総論?Uの教育に生かしている。成人看護学では,現在の社会情勢を踏 まえ,ヘルスプロモーションの考え方を教授している。また,老年・地域看護学では平成12年から,過疎地域への訪問ボランティアによる学びや,平成15年から,ITを使った健康・生活相談に関する研究活動の成果をまとめ,またその活動を基に,平成16年度からは,地域の高齢者を対象に「サテライト・デイ」を企画し,在宅元気高齢者への介護予防支援を学生主体で実施している。さらに,こうした一連の活動は老年・地域看護学実習に取り入れられ,平成17年度から学生が参加している。

幼児教育学科では,各教員が,個別の研究上の関心だけでなく,教育の質を高めるための研究活動を積極的に展開している。

  地域福祉学科では,教員個々人の研究活動の成果を各人が担当する授業科目の内容に反映させるとともに,教材作成にも活かしている。とくに,介護過程の理解 のために研究グループをつくり,介護過程ハンドブックを作成し,「介護技術」「形態別介護技術」「介護実習」等で活用している。以上について,資料Aを参照されたい。

 

資料A 研究活動の成果の授業内容への反映例

学科名

代表的な研究活動

授業科目名

研究活動の成果の授業内容への反映例

看護学科

基礎看護学に関する研究

基礎看護学実習

 

 

援助技術論

 基礎看護学のカリキュラムの研究で基礎看護学教育の初期の学習過程で実施する一日実習による体験は,対象の生活状況を学び看護学に対する理解を深め,今後の授業への動機づけとなっている。

 褥瘡発生のメカニズムについての研究によると高齢者の軟部組織厚の違いが褥瘡発生に影響するので,学生は演習前に仙骨部他の体圧を測定し,褥瘡予防に対する関心を高めている。

成人看護学に関する研究

成人看護学

 成人看護学のカリキュラムの研究として,成人看護学の現状と今日の医療や社会の変化から,人々の生活しているすべての場においてQOLを目指し,ヘルスプロモーションの考え方や医療,保健,福祉との連携についての考え方を教授している。

老年・地域看護学に関する研究

老年看護学

地域看護学

 被災高齢者支援に関する研究で,震災で被害を受けた高齢者世帯への訪問活動を通してボランティアの意義について学習する機会となっている。

 在宅高齢者に関する研究として,在宅高齢者の健康・生活相談にITを活用した新見介護ネットワークの実施および生きがい対策をねらいとしたサテライト・デイを実施しており,学生が高齢者理解を深め,地域住民との連携を学習する機会となっている。

幼児教育

学科

子どもの文化的発達と学習,子ども観・家族観及び子育て環境の地域比較

教育心理学

発達心理学

 子どもの発達や学習のあり方を踏まえた子育て状況についての知見を,教育計画に組み込んでシラバスや教材を作成している。

保育実習の効果を高める研究

保育実習

保育実習指導

 実習における学習効果を高める要因を調査により分析し,その成果を,実習の事後のグループ演習等における学生相互の気づきを促すような指導上の配慮に生かしている。

パソコンを用いた作曲に関する研究

音楽?T・基礎音楽?T

表現指導法・総合表現

 授業における作曲演習で,作曲スキルの教授に資しているほか,教材やプリント等として活用しており,保育者としての実践的力量の育成に努めている。

地域福祉

学科

老人保健事業に対する老人クラブの協力の実情に関する調査

都市型老人保健施設の新しい試み

 

都市地区における地域医療のネットワーク作りの試み

地域で老いを迎えるための高齢者地域支援システムについて

社会福祉概論

老人福祉論

 

 

 

 

地域福祉論

社会福祉援助技術

社会福祉援助技術演習

 

社会福祉の法体系,制度を理解し,基盤としての所得保障,医療保障,老人保健施設,介護保険制度の概要を把握させるべくこれらの研究結果を紹介しながら講義を展開した。福祉専門職の必要性,老人クラブ等との公私協働について理解の深まりを狙いとしたものである。

また,生きているシステムを作るには,保健,医療,福祉,地域が障害を持つ老人に関わる共通の援助視点が必要である。ケースワーカーは,その媒介者として,地域の社会資源を活用し,他の専門職種とのよいチームワークをとり,ネットワーク(地域支援システム)を組織化し,地域と福祉の機能を高める。これらの研究は,居宅サービス計画を実際におこない,クライアントとの援助方法と地域支援システムの理解を深化させるべく紹介した。

 

日本における福祉国家の制度的特質に関する研究

社会保障論

社会福祉行財政論

公的扶助論

本 研究は,福祉受給と就労促進との関連性という視角から,日本における福祉国家の制度的特質を探るものであり,特に高度経済成長期以降の所得保障を中心とし た諸制度の形成・展開過程を辿っている。研究の中で得られた制度史に対する考察結果は,各講義の中で,現行制度の概要を理解すると共に,その制度に内在す る日本の経済・社会の特質や,その変容を踏まえた政策課題を理解するための視角として提示している。

ケアに関する研究

高齢者介護に関する研究

介護過程に関する研究

おむつ介護に関する研究

介護制度に関する研究

 

介護概論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本 科目の最重要点となるものは、「介護とは何か」に関する哲学的な課題を学生に伝え、思考させるところにある。介護の対象となる人々の生活の理解を過去、現 在、未来といった時間軸から生活の構造を理解させるべく、これらの研究結果を参考にしながら展開している。また介護の構造については、価値観・倫理を土台 にし、その上に順次専門的知識、専門的技術を置く構造であることを主題として、介護の質に関する研究が反映されている。同時に介護専門職者の倫理、他職種 との連携等の理解も合わせて教授している。

介 護の方法については、身体介護、生活援助、相談援助がありその実践方法として、介護過程やケアプラン等の考え方ある。介護過程の研究はより実践的な方法論 として介護過程の展開を重視しており、介護過程に関する研究は地域福祉学科の介護教育にとっては心臓部となっている。介護制度に関する研究は介護概論の中 で展開、反映されている。

 

介護技術マニュアル作成

 

 

介護技術

 

 

基礎的な介護実践を行うことが出来る学生を育てるために介護技術では34の基本的な技術の意義と手順を掲載した技術マニュアルを作成し、これを使用して介護技術演習を実施し演習時の学習や課外での自己学習時に役立てている。

 

介護保険制度に関する研究

 

 

形態別介護技術

 

高 齢者介護の講義においては、介護保険の施行状況に関する調査研究の結果、介護保険施行後の介護現場で働く介護福祉士が感じている、介護保険の長所短所等の 結果を紹介し、介護保険制度と介護福祉の関わりや、高齢者介護の現状の理解、学生の介護観などを深めていく材料として紹介している。

認知症(痴呆症)高齢者の介護に関する研究

 

 

 

 

形態別介護技術

 

 

 

 

ユニットケアと従来型ケアにおける痴呆症高齢者のコミュニケーション量と感情の分析については、ユニットケアの効果やコミュニケーションの量が認知症高齢者に与える影響などについて、講義やロールプレイング演習時に伝達している。また、認知症高齢者の介護の講義において、高齢者介護研究会報告書2003年「2015年の高齢者介護」の骨子を一部抜粋して、認知症高齢者の介護を取り巻く今後の制度的の変化および介護福祉の方向性を示すものとして、資料として配布し活用している。

 

介護過程に関する研究

 

 

 

 

 

介護実習

介護実習指導

 

 

 

介護過程は介護実践を行う行程である。2年 間という短い期間にいかに効果的に学生に介護過程を教えるかを課題として、実習担当教員全員の教え方を統一するためや、また、学生の実習や演習での自己学 習を促進するために、「介護過程ガイドブック」を作成し、介護技術の演習、実習指導、介護実習で活用し効果を上げている。また、2005年度には国際生活機能分類における考えや、「ICFの構成要素間の相互作用」を介護過程に反映できるように改定を行っているところである。

 

習俗にみる世代間交流とその機能に関する社会・発達・臨床心理学的研究および教育相談、育児相談、思春期相談などの臨床での相談活動

心理学(兼看護学科)

老人・障害者の心理

人間関係論

臨床心理特論(看護学科)

 

心 理学における人間と理解の仕方と方法に関する知識や技術を、青年期にある学生に講義することの意味を伝えることに主眼を置いている。介護の対象であれ、看 護の対象であれ、自分とは異なる時代背景や環境を背負った人々へのアプローチであることを、従来の研究活動の結果や相談活動の事例あるいは「こころの科 学」「そだちの科学」「臨床心理学」などの雑誌論文、また「心理学研究」「発達障害研究」「社会心理学研究」などの学会誌の情報を利用しながら伝達してい る。

 

伝承文化,耕作図及び福祉文化に関する研究

 

 

民俗学,地域文化論,

生活文化史,社会学他

 

日 本人なら誰もが経験している民間伝承,あるいは伝統的な人生観,労働観,宗教観などを高齢者理解の基本におき,その延長線上に回想法での活用を考えてい る。また,社会現前の問題に対処するための歴史知識,地域社会の絆を生み出し、支えてきた互助共同組織や緒集団,それらの精神的支柱であったシステムなど を伝えることによって,地域の文化を反映させた介護環境作りを考えている。

音の文化に関する研究

環境音楽論、音の文化論、療養音楽 他

地 域福祉学科では、対象者が過ごしてきた環境や社会、さらに個人の文化を理解することを重要な観点のひとつにあげている。関連する研究として地域の音の調査 および職人の音の文化について調査を行い考察することで、人が音を聴くといこうことに関して追求している。そして、それぞれ個人の持つ音の文化から人間を 理解をし、また音の環境を考えることの重要性を伝えている。

その成果として作成したCD-ROM「阿新の音」や環境庁が行った調査を基に作られた「日本の音風景100選」のビデオ等を教材として使用している。

 

【分析結果とその根拠理由】

看護学科では,資料Aの ように研究活動と授業内容との間に相当の関連があり,研究活動の成果が授業内容に反映されている。教育研究を通して授業改善が行われ,学生の授業評価も高 くなっている。老年看護学や地域看護学では,地域性や対象の生活・歴史・健康観など対象理解の深まりや在宅で生活する意義,地域での社会資源のシステムや 他職種との連携の必要性を学んでいる。教育目的を達成するための基礎となる研究活動の成果は着実に教育に反映していると判断する。

幼児教育学科では,別添資料の通り,各教員の担当教科目と研究活動が密接に対応しており,教育と研究が相互に発展を促し合うような取組みを行っている。

  地域福祉学科における教員個々人の研究活動と授業内容との間には相当程度の関連が認められる。とくに介護対象者を理解する上で,民間伝承や音文化などの基 層文化や心理学における人間理解の仕方と方法を基礎にすえ,それらを介護福祉の基盤においた教育は,地域福祉学科の教育目的・目標にそったものである。さ らに経済的側面から社会保障について考え,保健・医療・福祉の連携と統合を視野に入れた介護のあり方を展開している。これらのことから,授業の内容が全体 として教育の目的を達成するための基礎となる研究活動の成果を反映したものとなっていると判断する。

 

 

 

観点5−1−4: 学生の多様なニーズ,学術の発展動向,社会からの要請等に対応した教育課程の編成(例えば,他学科の授業科目の履修,他短期大学との単位互換,インターンシップによる単位認定,補充教育の実施,専攻科教育との連携等が考えられる。)に配慮しているか。

 

【観点に係る状況】

 他短期大学との単位互換,インターンシップについては,現在実施していない。

 看護学科では,4年制大学を卒業した社会人入学生の割合は約1割である。他大学で修得した単位の認定は,審査の上で23単位を超えない範囲で卒業要件となる。学生に対しては,学生便覧に明記し,入学時のガイダンスで説明している(別添資料5−1,5−2参照)。

 幼児教育学科では,学生のニーズと社会からの要請に応じて,学生ボランティア活動支援を始めたところである(別添資料5−5:「2004年度新見公立短期大学幼児教育学科課外活動扱い学生ボランティア活動一覧」)。学術の発展動向及び社会的要請に配慮した教育課程の編成については,学科内に「教育改善委員会」を設置して,見直しを開始している(訪問時に学科会議議事録を参照されたい)。

 地域福祉学科では,「社会福祉士養成施設等指導要領及び介護福祉士養成施設等指導要領について」等の一部改正(平成16326日付け社援発第0326014号厚生労働省社会援護局長通知)によって,平成1641日より介護福祉士養成施設において一部科目の合同授業または合併授業の実施は可能となったが,地域福祉学科においては学生の教育効果を考慮し,他学科との合併授業は行っていない。

 

【分析結果とその根拠理由】

  他の短期大学等との単位互換については,現時点では交通の便などから実施が困難である。今後の通信環境の変化などに応じて検討が必要である。インターン シップについては,各課程とも学外における実習を重視しており,インターンシップに代わる,現場での学習及び進路について考える機会となっている。

 看護学科では,社会人入学生の修得単位状況と本学の授業内容を踏まえて審査を実施,看護教育に応じて適切に単位認定されていると判断する。また,専攻科との連携として特に関連する科目で実施されていると判断する。

 幼児教育学科では,いずれも取組みが始まったところであり,教育改善委員会による過密な教育課程の再編成により,多様な学生の学習成果の確保と自主的な学習活動を促す取組みが期待される。

 地 域福祉学科では,学生の多様な学習ニーズに対応したカリキュラム作りを行っている。多彩な科目群に加え,少人数・フィールド型授業を重視し,学生に実践的 学習の機会を提供しているのは,その表れとして評価できよう。学生の多様なニーズ,学術の発展動向,社会からの要請に対応した教育課程の編成に配慮してい ると判断する。

 

 

観点5−1−5: 単位の実質化への配慮がなされているか。

 

【観点に係る状況】

 GPA制については,平成16年度に検討して平成17年度に導入し,今後検証を重ねて,教育内容及び教育方法の改善に向けて,有効な運用を図ることになっている(別添資料5−2参照)。

履修登録の上限設定はない。

看 護学科(「看護研究」)と幼児教育学科(「総合研究」)では卒業研究が必修科目として,地域福祉学科(「地域福祉研究」)では選択科目として設定され,学 生の興味・関心による研究活動が各担当教員の指導のもとで行われている。論文作成は,学生の主体的な活動によって行われており,教員は,定期的な指導に加 えて,随時,学生の課題に対応している。

授業時間外の学習時間の確保については,学科によって事情が異なるが,特に幼児教育学科では,ほとんど午前9時から午後550分まで授業が組まれており,十分に確保されているとはいえない。

 

【分析結果とその根拠理由】

 どちらかといえば配慮しているといえる。

 卒業研究では,他短大にほとんど見られない主体的な研究活動が行われており,専門職養成における成果が大きく,単位の実質化に寄与しているといえる。

特に幼児教育学科では,教育課程を再編成して,授業時間外の学習時間を確保し,履修登録の上限設定をするなどの措置を検討する必要があろう。

 

 

観点5−1−6: 夜間において授業を実施している課程(第二部や昼夜開講制(夜間主コース))を有している場合には,その課程に在籍する学生に配慮した適切な時間割の設定等がなされているか。

 

 該当なし。

 

 

観 点5−2−1: 教育の目的に照らして,講義,演習,実験,実習等の授業形態の組合せ・バランスが適切であり,それぞれの教育内容に応じた適切な学習指導 法の工夫がなされているか。(例えば,少人数授業,対話・討論型授業,フィールド型授業,情報機器の活用等が考えられる。)

 

【観点に係る状況】

 準学士課程の授業形態については,学則に定められた単位の基準及び教育目的に基づき,各学科においてそれぞれの分野の特性に応じた構成がとられている。

看護学科では,学則に定められた卒業要件104単 位以上修得の基準を踏まえ,看護師養成の特性に応じて基礎分野,専門基礎分野,専門分野の構成をとっている。授業形態として科学的思考に基づいた看護専門 職としての基礎能力を習得させるために講義,演習,実験,実習を段階的に取り入れている。特に実習では,少人数のグループを編成し,病院実習では各領域に 特徴的な患者を受け持ち,主に看護過程を中心とした実習を展開している。教員は,学生と共にほぼ毎日実習現場に出向き,学外実習指導講師である施設の実習 指導者と連携をとりながら指導を行っている。教員は,学生,患者の安全を守ると同時に,学生の個別的能力に応じて指導にあたり,アセスメント能力,看護 観,倫理観,援助的人間関係の育成の指導に力を注いでいる(別添資料5−6:「看護学臨地実習要項」参照)。

また,フィールド型実習など,地域の特徴を取り入れ,地域との連携を重視した実習に取り組んでいる。

授業形態の主な内容について表に示す(資料B参照)。

 

 

 

 

資料B 授業形態別の主な内容

教育方法

特 色

講義

1.成人看護学?Uでは,臨床現場や患者のイメージが湧きやすいよう視聴覚教材を活用し,ME機器など臨床現場の様子を再現し,理解が深まるよう工夫している。その評価として平成15年度より学生による授業評価を受け,視聴覚教材を用いた授業が高い評価を得た。

2.小児看護学?Tでは,子どもの育成過程における保健・医療・福祉・教育それぞれの社会資源の活用についてグループ学習による討論型授業を取り入れ,学生が相互に学習し主体的に学習出来るよう工夫した。

演習

1.基礎看護学の援助技術では,演習ノートを作成し,より臨床に近い技術方法を工夫している。

2.母性看護学では,演習におけるテキストを作成し,モデル物品を使用し,10項目の母性看護特有の技術を教授している。

実験

1.生物学(平成17年度より自然科学),生化学,解剖学の講義においてラットの解剖実験を取り入れ,血球の顕微鏡観察,酵素の測定,遺伝子増幅実験などの実験を取り入れ,科学的思考の基盤となるように教授している。

実習

1.成人看護学実習では,実習病院では不十分と考えられる特殊性のあるICU看護や透析センターの見学実習を取り入れ,急性期疾患患者や慢性期疾患患者の看護の理解を深めるようにしている。また,外部より講師を招き,臨地実習の実践の場で活かせるための「口腔ケア演習」を取り入れている。

2.精神看護学実習では,一病棟に一人の実習体制をとり,学生が患者との関わりの中でどのような感情体験をしているか言語化・記述化する「再構成」を実習記録として活用している。

3.臨地実習時の事故対応策として臨地実習事故対応マニュアルを作成し,15年度より学生に実習ガイダンスで説明し,実習施設とも連携を取りながら事故防止に努めている。実習中のヒヤリハットは報告書を提出し,報告内容を踏まえ教育方法に反映できるシステムをとっている。

 

実習施設の臨床実習指導者との連携については,臨床実習指導者が教育に対する意識や学生への理解を深めるために,年1回の「臨地実習施設連絡会議」を開催し,講演やグループワークなどの研修を企画,実習施設から多くの参加を得ている。平成8年から2年間は「学生の意欲を引き出すにはどのような臨床指導が望ましいか」,平成10年からの2年間は「人を育てる」とテーマを設定し,KJ法によるグループワークを行った(別添資料5−7,5−8:古城・西村他「学生に期待する臨地実習での学び―その1,その2」『新見女子短期大学紀要』18:73-81,83-92,1997)。また,平成12年から3年間は「臨地実習におけるリスクマネジメント」平成15年からは「臨地実習における看護倫理」とテーマを設定し,講演と事例検討,シンポジウムなどを行っている(資料C参照)。

平成7年度より,戴帽式に代わる学科行事として,看護について広く深く学ぶ機会としてNursing College SeminarNCS) を設けた。実習病院や地域の病院の看護職へも参加を呼びかけ,ともに看護を考える場としている。学生は,教員を含めた委員会を組織し,主体的な企画運営に より,一つの研究テーマに取り組むことで,講義や実習に向けての内発的学習の動機づけとなっている(別添資料5−9:「NCS」リーフレット,資料D参照)。

 

 

資料C 過去5年間の臨地実習施設連絡会議

年度

テーマ

内容

平成12年度

臨地実習におけるリスクマネジメント 

その1基礎編「医療現場におけるリスクマネジメントの考え方」

講演:講師−大学病院の感染管理者

グループワーク

平成13年度

臨地実習におけるリスクマネジメント 

その2臨床編「看護現場のリスクマネジメント」

講演:講師−大学病院の看護管理者

事例検討 

平成14年度

臨地実習におけるリスクマネジメント

その3教育編「臨地実習におけるリスクマネジメントの考え方」

講演:講師−大学教授・看護学

事例検討

平成15年度

臨地実習における看護倫理(part1)

『看護における生命倫理』

講演:講師−大学教授・法学

シンポジウム

平成16年度

臨地実習における看護倫理(part2)

『看護管理と看護倫理』

講演:講師−病院看護部長

ワークショップ

 

資料D 過去5年間のNCS

年度

テーマ

講師

平成12年度

心のケア(看護臨床におけるケアを実らせるコミュニケーション)

講演

講師:大学教授

平成13年度

命との対話―ターミナルケアにおける患者理解

講演・ワークショップ

講師:大学教授

シンポジスト:看護師,家族

平成14年度

新たな医療の世界〜オーストラリアの医療事情〜

講演

講師:海外の看護師

平成15年度

納得のいく終末期を迎えるために〜家族と生きる〜

講演及びワークショップ

講師:看護師

シンポジスト:看護師・家族

平成16年度

命を看守り,育む看護職〜生命の誕生,そして成長を支える

ワークショップ

シンポジスト:助産師・保健師・看護師

 

  幼児教育学科では,教育職員免許法及び児童福祉法に照らして,教育課程を編成し,講義,演習,実習等のバランスは,それらに準拠している。また,保育福祉 の現場を意識して,理論と実際的な技能を関連づけて学ぶために,学習指導法として,以下のような工夫を行っている(別添資料5−1参照)。すなわち多くの 教科目において,グループワークや調査,プレゼンテーション,作品制作が取り入れられている。「社会福祉援助技術」「保育課程総論?T」「精神保健」などで は,グループワークやディスカッション,「保育原理?U」「発達心理学演習?T・?U」「幼児心理学演習」「教育心理学」「保育課程総論?U」「乳児保育?T・?U」 「音楽?U・基礎音楽?U」などでは,調査とレポートまたはプレゼンテーション,「『表現』指導法(身体表現,造形表現,表現技術,総合表現等)」などでは, 作品の制作を行っている。「教育実習指導」「保育実習指導」においては,現場経験がある複数の非常勤助手が授業に加わることで,少人数指導を実現してい る。教科専門科目の音楽関連科目では,必修・選択あわせて6科目を設置しており,保育の質的充実・地域貢献に寄与することができる人材養成という趣旨から,音楽の専門教養的な器楽演習・音楽理論系内容のみならず,それらをベースに,幼児の音楽的活動の理解,保育現場の音楽活動構成・音楽教材論まで踏み込んだ科目構成としている。

地域福祉学科では,本学科が開講する科目のうち,「指定科目」については法規に沿った授業形態をとり,「指定科目」外については教育目的・目標を踏まえ,それぞれの授業内容に応じた形態を採用している(別添資料5−1参照)。単位数の算出はいずれの場合においても,学則23条に定められた単位の基準に従っている。学習指導法の工夫として,まず1年次前期からゼミ形式の少人数演習授業「総合基礎ゼミ」を配置している。これは,介護福祉士養成校にあってユニークなカリキュラムを有する地域福祉学科の教育理念を早期に学生に理解させることを目的とし,学生を9グループに分け(1グループ56人程度),グループごとに専任教員の研究室を巡回受講する形態をとっている。介護技術,形態別介護技術など演習を含む科目では,各単元の講義による理論的理解を踏まえて演習を行う。演習では学生を概ね14のグループにわけ,演習内容によって46人の教員が34グループを指導する体制をとり,きめ細かな指導とグループ内での相互学習を行っている(資料E参照)。

 

資料E グループ演習例 介護技術・形態別介護技術(平成17年度実績分)

科目

講義

演習

グループ数

担当教員

介護技術

生活環境の整備

寝具・衣類の管理

寝具環境の整備

14

観察

バイタルサインの測定

14

社会生活の拡大の技法

体位と安楽

体位のとらせ方と安楽な体位

14

形態別

介護技術

運動機能障害者の介護

運動機能障害者の入浴

居宅介護

居宅介護演習

 

介 護実習では,例えば第1段階実習の履修条件として,実習開始までに行われた「介護技術?T」,「介護概論」の試験に合格していることを定めるなど,各段階に 応じた知識や技術を習得した上で,それぞれの実習の目的を達成できるように配慮している。また,介護実習は,『実習の手引き』(別添資料5−10参照)を 作成し,実習の目的,進め方,心得などとともに,各段階の目的・評価表,記録物が一覧できるようにしている。

指導にあたっては,実習施設ごとにグループ編成し,主に介護過程を中心とした実習を展開している。教員は週2回の巡回指導を行い,学外実習指導講師である施設の実習指導者とともに指導・助言や受け持ち利用者のカンファレンスを実施している。?U・?V段階では金曜日を帰校日とし,全ての実習指導と帰校日にはグループごとの少人数指導及び個別指導を行っている。

 

【分析結果とその根拠理由】

看 護基礎教育は,講義・演習・実習の一貫した運営が望ましく,演習や臨地実習を通して人間関係能力を高める教育方法が行われている。授業方法としては,グ ループワークや体験学習などコミュニケーション能力や自己表現能力などを高める教育方法が工夫されている。実習においては,学生の事故防止対応を明記し, 適切で安全な指導を行っている。また,指導者会議を通して実習現場との連携を図り,より良い学習環境の整備に向けた取組みがなされている。NCSや看護研究発表会など,学生が主体的に運営する学科行事も,自主的に看護を探求する学習の機会として設けられている。

 幼児教育学科では,授業形態別の教科目配置のバランス,学習指導法とも,教育目的の遂行に対して適切な工夫がなされている。

  地域福祉学科における開講科目の授業形態は,介護福祉士養成校としての基準を満たし,また教育目的・目標および各分野の特性に応じた組み合わせで,概ねバ ランスの取れた構成になっている。学習指導法の工夫として,フィールド型授業を可能な限り取り入れるように努めている。また,実技系の演習では,実技担当 の教員を9人(専任4,非常勤5)擁していることから,少人数授業の実施が可能となっている。

 以上のことから,教育の目的に照らして,講義,演習,実習の授業形態の組み合わせとバランスが適切であり,それぞれの教育内容に応じた適切な教育方法の工夫がなされていると判断する。

 

 

観点5−2−2: 教育課程の編成の趣旨に沿って適切なシラバスが作成され,活用されているか。

 

【観点に係る状況】

シ ラバスの基本的構成として,「授業目的」「授業計画」「教科書等」「成績評価」を記載し,担当教員名・メールアドレス等の記載事項がフォーマットされたシ ラバスを作成している。また,非常勤講師や他学科の教員と連携を図りながらシラバスを作成しており,教育目標に沿って科目が配置さている。

学 生に対しては,入学時のガイダンスにおいて履修登録の際に活用すること,履修登録後も授業を進めていく上で活用することを説明し,冊子として配布してい る。各教員は,シラバスの記載内容にそって授業を進めている(別添資料5−2参照)。シラバスは,学期当初のガイダンスおよび各授業内での講義説明等で活 用されている。また,学生による授業評価にシラバスと講義内容の合致を問う項目を設定し,学生がシラバス内容を確認する機会としている(別添資料 5−11:『学生による授業評価vol.22003年度)』)。

 

【分析結果とその根拠理由】

各学科とも,教育課程に沿ったシラバスが作成されており,準学士課程全体としては適切に作成されていると判断する。

 

 

観点5−2−3: 自主学習への配慮,基礎学力不足の学生への配慮等が組織的に行われているか。

 

【観点に係る状況】

自主学習時間確保とその便宜のために,図書館の開館時間を19時まで,金曜日は20時までとしている。

看 護学科では,自主学習ができるようにシラバスにおいて次の授業計画を明確にしている。この点を踏まえ,単元に関心をもち授業を受けるように指導している。 別添資料5−11によれば,演習科目で予習や復習を行っているとの回答が多い。その一つである援助技術では,自主的に演習学習ができるように実習室を開放 し,教員は随時学生の質問に答えるようにしている。基礎学力不足の学生への配慮としては,担任が面接等で学習指導を行っている。高校で学習していない科目 の中でも看護教育に必要要件である生物学を必須科目とし策定しており,高校生物・化学を学んでいない学生に対して授業の初回時に基礎知識を確認するように している(別添資料5−12:宇野文夫「新見公立短期大学看護学科学生の高等学校における理科履修科目と生物学の基礎知識に関する調査の試み」『新見公立 短期大学紀要』24:113-120,2003,参照)。また,基礎学力不足の学生への指導のために必修科目を設定しているが,充実させるため,17年度より「自然科学?T」を設定した(別添資料5−1参照)。

幼児教育学科では,保育士資格取得のための「総合演習」(必修)である「総合研究」,幼稚園2種免許状取得のための科目「総合演習」(幼免必修)である「教育総合セミナー」では,自主学習を援助しているが,教育課程が過密であるために十分な自主学習時間を確保していない。また,基礎学力不足学生への組織的支援は行われていない。自主学習時間確保のために,平成17年度より教育改善部会を設置して,教育課程の検討に着手している。基礎学力不足学生への組織的支援も含めて検討している。

地域福祉学科では,各教員の研究室には教員の授業等以外の時間であればいつでも,図書やVTRなどの貸出し,質問への対応など行えるようにしている。介護技術などの演習については,月曜日から金曜日の7:3020:00で 他の授業で使用する時間以外は,介護実習室を開放し学生が自由に自主学習を行えるようにしており,実習室オリエンテーション時その説明を行っている。学生 から質問がある場合は,その都度対応するとともに,特に介護技術試験前にはサポートの時間を設け,指導や相談に応じる体制をとっている(別添資料 5−13:「介護技術試験サポート表」)。「地域福祉研究」では,各学生の研究テーマに応じた指導・相談に対応し,いつでも研究室に来て自主学習ができる こととし,必要時には調査対象となる施設などへの依頼,同行等を行っている。

 

【分析結果とその根拠理由】

自主学習への配慮としてシラバスを活用して指導しており,授業評価を踏まえ改善を図っているところである。学生の基礎学力不足への対応については,各学科で対策を進めつつある。実習室の開放や図書館の延長により,自主学習をする場は提供されていると判断する。

 

 

観点5−2−4: 通信教育を実施している場合には,印刷教材等による授業(添削等による指導を含む。),放送授業,面接授業(スクーリングを含む。)若しくはメディアを利用して行う授業の実施方法が整備され,適切な指導が行われているか。

 

 該当なし。

 

 

観点5−3−1: 教育の目的に応じた成績評価基準や卒業認定基準が組織として策定され,学生に周知されているか。

 

【観点に係る状況】

成績評価については,「新見公立短期大学学則」第26条(学習の評価),「履修規程」第10条(成績の評価)で定めている。成績評価基準は,学則に基づき,試験,論文,レポート,平常学習状況,出席状況などから成績が評価され,合格した場合に認定される。成績評価は,優(80100点),良(7079点),可(6069点)及び不可(60点未満)の4段階評価を設定し,優,良,可を合格する基準に策定している。科目別の具体的な成績評価基準としては,シラバス内に「成績評価の基準・方法・期日」の項目を設け,各授業科目の内容に応じた評価基準を記載し,学生に周知している。

卒業認定基準は,「新見公立短期大学学則」第27条(卒業の要件),第28条(卒業の認定及び称号)に規定している。また,平成14年度学生から成績の評価にGPA評価を導入し,平成17年度には成績評価にGPA制度を併用するための暫定規程を設けている。既修得単位の認定は,他の大学または短期大学で修得した授業科目の単位の認定ついて,審査の上で本学の単位として認定されるとしている(別添資料5−1,5−2参照)。

 

【分析結果とその根拠理由】

成 績評価基準,卒業認定基準および既得単位の認定は,学則に基づき策定している。成績評価基準,卒業認定基準および既得単位の認定について,学生便覧および シラバスに明示されており,学年次のガイダンスや初回授業時のガイダンスにおいて成績評価の方法などを周知していることにより,学生へは浸透されている。 以上から,成績評価基準及び卒業認定基準,既修得単位の認定は,学生に周知されていると判断する。

 

 

観点5−3−2: 成績評価基準や卒業認定基準に従って,成績評価,単位認定,卒業認定が適切に実施されているか。

 

【観点に係る状況】

「履修規程」に定める,履修の登録を行った授業科目で総授業時間数の3分の2以上出席しないと単位を受けることができない(地域福祉学科においては別に定める)ことを受験資格とし,各学科とも,「新見公立短期大学学則」第26条(学習の評価),第27条(卒業の要件),第28条 (卒業の認定及び称号)の規定に沿って,各科目の成績評価基準が策定され実施されている。試験は,病気等のやむをえない理由による追試験,試験が不合格で ある学生には再試験を実施している。複数の教員が担当する科目や実習などについては,総合評価を行っている。また,成績評価基準の明確化,厳格な成績評価 の実施などのため,学則に基づきGPAを平成14年度入学生より実施している。

看護学科における具体的な成績評価は,筆記・実技試験,レポート,実習内容,実習到達度試験及び授業への出席状況を総合して,4段階評価で行われている。臨地実習については,実習目標に応じて評価項目を定めるとともに,実習内容だけでなく知識の理解度を確認する到達度試験を平成15年度より実施し総合評価としている。1科目について担当教員が2人以上の場合には,同様に総合評価としている。また,卒業要件でもある看護研究の成績評価では,学科全体で評点を決めている。すべての成績評価については,最終的には教授会を経て卒業認定を行っている。

幼児教育学科では,成績評価基準はシラバスに明記されており,それに従って評価されている。しかし,成績評価の分布について分析したことはなく,評価基準は各教員にまかされている。

地 域福祉学科では,成績評価は学則に基づき各科目で評価基準を定め,シラバスに明記し行われている。複数の教員が担当する科目については総合評価を行ってい る。介護技術の実技試験については,課題ごとの評価基準を定め,試験担当教員による評価をもとに,関わる教員の合議により決定している。実習については, 実習段階ごとの評価項目と基準を設け,施設実習指導者の評価を参考に,関係教員の合議により決定している(別添資料5−1,5−2参照)。

 

【分析結果とその根拠理由】

 成績評価は,基準に基づいて,4段 階で行われており,筆記・実技試験,レポート,実習内容,実習到達度試験及び授業への出席状況を総合して行われており,適切に成績評価,単位認定,卒業認 定を実施しているが,評価基準があいまいな教科目については,その明確化が必要である。成績評価の分布表を教科ごとに分析し,評価の妥当性・信頼性を確保 するための組織的取組みが必要である。

 

 

観点5−3−3: 成績評価等の正確性を担保するための措置(例えば,学生からの成績評価に関する申立て等が考えられる。)が講じられているか。

 

【観点に係る状況】

 成績評価の正確性を担保とする取り組みとしては,学生本人が成績を指定のパソコンで閲覧でき確認できるシステムを取り入れている。

 成績評価に対する問い合わせや疑問などがある場合には,成績開示後10日以内に成績評価を行った担当教員に対して成績評価の方法や内容などについて問い合わせることができる。担当教員から十分な回答が得られない場合には,学務課に申し出ることができることを学修の手引に明記し,周知している(別添資料5−2参照)。

 

【分析結果とその根拠理由】

成績評価の正確性については,学生の異議申し立てについて学修の手引に明記しており,どのように対応したかは教務委員会に報告されている。また,改善を図る目的で教授会等において教員全員に報告されており,学生に対する必要な措置がなされていると判断する。

 

 

<専攻科課程>

観点5−4−1: 学科の教育との連携を考慮した教育課程となっているか。

 

【観点に係る状況】

  地域看護学専攻科課程は,看護学科の看護基礎教育課程におけるカリキュラム内容の習得を基礎として,保健師として専門的な学びを深める専門機関である。看 護学科のカリキュラムは「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」から構成され,一方,地域看護学専攻科のカリキュラムは「教養科目」「専門基礎科目」 「専門科目」から構成されている。

専 攻科課程では,看護の対象者が母子から高齢者と幅が広いため,多角的な視点で対象者を捉えることを重視し,学科科目の成人看護学,地域看護学,老年看護 学,小児看護学,母性看護学,精神看護学を基礎と考える。それらを踏まえて専門職としての保健指導について習得することを目標としている(別添資料 5−14:「専攻科と基礎となる学科等との関連図」)。

 

【分析結果とその根拠理由】

  看護学科においては,看護専門職として幅広い教養と豊かな人間性を養い,対象を多面的に理解することを目的に基礎分野の充実が図られている。また,専門基 礎分野及び専門分野はすべて必修科目としており,科学的思考に基づいた看護専門職としての基礎的能力の習得が図られている。それらを基礎として専攻科課程 では,統計学的視点で地域を捉え,そこで生活している対象者への保健指導のあり方を習得できるよう配慮している。

 

 

観点5−4−2: 教育の目的に照らして,授業科目が適切に配置(例えば,必修科目,選択科目等の配当等が考えられる。)され,教育課程の体系性が確保されているか。

 

【観点に係る状況】

地域看護学専攻科の教育課程は,「教養科目」「専門基礎科目」「専門科目」から構成され,修了要件は33単位以上である。修了要件単位は,「教養科目」は必修2単位,「専門基礎科目」は必修8単位,「専門科目」は必修22単位,選択1単位である(別添資料5−1,5−2参照)。

地域看護学専攻科では,地域で生活する人々の健康がより向上することができるための支援能力を養うため,専門的知識・技術及び態度を習得させ,地域看護の役割を果たすことができる人材を育成することを目的としている。

専攻科の教育内容については,別添資料5−4:「教育内容の概要」に示す。

 

【分析結果とその根拠理由】

保 健師活動は,法律に基づいた活動を主としているので「教養科目」に「日本国憲法」を開講している。また,「専門基礎科目」では地域の健康問題を疫学的及び 保健統計学的視点から捉えることをねらいとして疫学,保健統計学を科目立てリンクした構成としている。さらに,国際的な視野をも持ち合わせることをねらい として,ボランティア論及び国際保健論を科目立てているのは本専攻科の特徴である。以上より,上記目的に適う教育課程の体系性が確保されているといえる。

 

 

観点5−4−3: 授業の内容が,全体として教育課程の編成の趣旨に沿ったものになっているか。

 

【観点に係る状況】

「教 養科目」の教育内容は,保健師活動の基礎となる憲法及び現代社会のあらゆる状況を踏まえた上での人間生活の理解である。「専門基礎科目」の教育内容は,地 域の健康問題を疫学,保健統計学視点から分析することを内容とし,科目間の関連性を明らかにしながら構成している。さらに,国際的視野を持ち多角的な視点 から地域看護を捉えるためにボランティア論及び国際保健論を内容としているのは本専攻科の特徴である。「専門科目」の教育内容は,地域活動における保健指 導の方法を主とした内容としている。特に,本専攻科が設置されている地域の特性から地域リハビリテーション論,運動指導論を内容としているのも特徴といえ る。さらに,「公衆衛生看護学研究」はゼミ方式で行い論文として製本し,発表会を行っている。

 

【分析結果とその根拠理由】

地 域看護学専攻科の教育内容には,必要な科目が配置され教育課程の趣旨に沿ったものといえる。科目間はすべてにおいて関連性があること,それらを統合した科 学的思考を習得できるなどが理由と考える。今後は,各科目間のマトリックスを作成し教育内容の重複あるいは不足部分を検討するなどの工夫が必要と思われ る。

 

 

観点5−4−4: 授業の内容が,全体として教育の目的を達成するための基礎となる研究活動の成果を反映したものとなっているか。

 

【観点に係る状況】

地 域看護学専攻科では,地域で生活する人々の健康がより向上することができるための支援能力を養うため,専門的知識・技術及び態度を習得させ,地域看護の役 割を果たすことができる人材を育成することを目的としている。関連する研究活動としては,活動対象となる小児あるいは高齢者の健康問題の実態を調査し,地 域の特性に応じた保健指導のあり方を検討し,地域を基盤においた対象者の健康と生活の捉え方などが理解できるように教育内容に反映している(資料F参照)。

 

資料F 研究活動の成果の授業内容への反映例(地域看護学専攻科)

 

代表的な研究活動

授業科目名

研究活動の成果の授業内容への反映例

地域看護学専攻科

健康・生活調査に関するコホート研究

疫学演習

保健統計学演習

健康・生活調査に関する内容を「健康日本21」の9項目から取上げ質問票を作成する。全住民を対象に訪問聞き取り調査を学生が実施し,疫学・保健統計学的にまとめ成果を新見市及び住民に還元する。地域特性に応じた保健指導の実施ができる。

 

【分析結果とその根拠理由】

授 業内容に研究した内容が反映されるように,できるだけ実践を捉えた教育内容を展開するように工夫している。地域の特性を捉え,そこから波及している健康問 題を多角的な視点から把握することは教育目的を達成するうえで重要な意味を持ち,地域で生活する人々とともに健康を考え支援していく上での役割は大きいと いえる。

 

 

観点5−4−5: 学生の多様なニーズ,学術の発展動向,社会からの要請等に対応した教育課程の編成(例えば,他専攻の授業科目の履修,大学との単位互換,インターンシップによる単位認定,補充教育の実施等が考えられる。)に配慮しているか。

 

【観点に係る状況】

 地 域の健康問題を疫学的・保健統計学的視点から分析すること,また,国際的視野をもちボランタリア的な活動も視野に入れた多角的な視点から地域看護を捉える ことなど,社会からの要請に対応した教育課程の編成としている。また,公衆衛生看護学研究は,学生の興味・関心のあるテーマに沿った研究を行うことができ 学生のニーズに応えるものとしている。

 

【分析結果とその根拠理由】

上記のことから,学生の多様なニーズ,社会からの要請等に対応した教育課程の編成に配慮していると判断する。た だし,インターンシップについては,専門的資格または免許を得ることを教育目的の一部として掲げており,そのための実務的な実習科目が事実上,インターン シップと同等の教育機能を有していること,また一般企業への就職を希望する学生がほとんどみられないことから,重ねて実施する状況にはないものと認識して いる。

 

 

観 点5−5−1: 教育の目的に照らして,講義,演習,実験,実習等の授業形態の組合せ・バランスが適切であり,それぞれの教育内容に応じた適切な学習指導 法の工夫がなされているか。(例えば,少人数授業,対話・討論型授業,フィールド型授業,情報機器の活用等が考えられる。)

 

【観点に係る状況】

  地域看護学専攻科では,学則に定められた単位の基準(別添資料5−1参照)に基づき,教育目的を踏まえて看護基礎教育で学んだ知識・技術を基盤に創造的, 主体的能力を習得できるように教育課程を展開している。さらに,地域の実情に合わせた地域保健活動の発展,向上に貢献することのできる保健師及び養護教諭 の育成を目指しているところであり,教養科目においては,広い見識と思考力を持ち個別性を持った人々を総体的に捉える態度を身につけることを目標としてい る。専門科目においては,看護基礎教育を土台に専門的知識・技術を活用して有効な公衆衛生看護活動が実践できる能力を習得することを目指している。さらに 専門基礎科目では,地域の健康現象を疫学調査,保健統計学の視点から捉え,保健福祉行政の総合性についての基礎となる能力を習得できるようにとりくんでい る。教養科目・専門基礎科目・専門科目の構成をとり,講義,演習,調査,実習を各々リンクさせた教育課程をとっている。

講 義では,「公衆衛生看護学概論」を基礎とし,「保健計画論」,「健康教育論」,「地区活動論」の講義を公衆衛生看護学実習前に入れ,地域保健活動の展開を 理解した上で実習に臨むことができるようにしている。さらに実習を通して地域保健,市町村保健の実際を学んだ上で後期において講義を深め,講義と演習,実 習を連動させ,1年間で総合的に公衆衛生看護学の基礎を学ぶことができるようにしている。

ま た,通年で「保健福祉行政論」,「疫学」,「保健統計学」においても講義と地元の地域診断の統計演習,地域を指定しての疫学調査・分析を実際に行い,調査 から地域保健活動における統計を実地で学生自ら習得できるしくみとしている。「公衆衛生看護研究」においても保健統計学での演習をもとに研究過程を通して 科学的思考の基礎を学ぶことができる。

「公衆衛生看護学実習」では,少人数のグループを編成した上で現場の実習指導者との実習前後を通しての連携をとりながら,自ら学ぶ実習に取り組んでいる(別添資料5−15:「公衆衛生看護学実習?T・?U」要項参照)。

 

【分析結果とその根拠理由】

通 年で関連性のある講義・演習・実習をリンクさせ,学生の思考過程を大切にして,総合的に公衆衛生看護学を学び理解できるしくみにしている。演習やグループ ワークを多く取り入れており,保健師としてのコーディネート能力はもとより,他者の意見をまとめる力,コミュニケーション能力の育成,自己表現能力を高め る学習指導方法に力を注いでいる。以上より,教育目標に掲げられている専門職としての基礎的能力を重視した教育が行われていると判断する。

 

 

観点5−5−2: 教育課程の編成の趣旨に沿って適切なシラバスが作成され,活用されているか。

 

【観点に係る状況】

地域看護学専攻科では,教養科目,専門基礎科目,専門科目を総合的に学び理解できるようにカリキュラムの編成を行っている。

シ ラバスの基本的構成として,「授業目的」「授業計画」「教科書等」「成績評価」を記載し,担当教員名・メールアドレス等の記載事項がフォーマットされたシ ラバスを作成している。また,非常勤講師と連携を図りながらシラバスを作成しており,教育目標に沿って科目が配置されている(別添資料5−2参照)。

学生に対しては,入学時のガイダンスにおいて履修登録の際に活用すること,履修登録後も授業を進めていく上で活用することを説明し,冊子として配布している。各教員は,シラバスの記載内容にそって授業を進めている。

 

【分析結果とその根拠理由】

地域看護学専攻科では,教育課程に沿ったシラバスが作成されており,保健師養成課程および養護教諭養成課程として,また終了後学位認定の要件を満たす教育課程としても適切に作成されていると判断する。

 

 

観点5−5−3: 自主学習への配慮,多様な専門分野への配慮等がなされているか。

 

【観点に係る状況】

地 域看護学専攻科では,公衆衛生看護学研究及び保健統計学の演習等各種演習に使用することを目的として学生個々にパソコンを貸与している。各自,自主学習に も活用し,文献検索,健康教育の資料作り,統計処理等に有効に活用している。授業終了後の学生の自主学習については,教員がほぼ毎日研究室を学生の帰宅時 間まで開放し,学生の質問や相談に対応している。

 

【分析結果とその根拠理由】

自主学習への配慮として,研究室の開放や図書館の延長により,自主学習をする場は提供されていると判断する。

 

 

観点5−6−1: 専攻科で修学するにふさわしい研究指導(例えば,複数教員による指導,研究テーマ決定に対する適切な指導等が考えられる。)が行われているか。

 

【観点に係る状況】

入学当初から研究に関する基礎講義を行い,自分のテーマに沿った先行研究を調査し,論文を読みこなす練習をするように指導する。これまでの研究を継続するかまたは新たにテーマを見つけるかを話している。さらに基礎講義4コマ終了後,現段階におけるテーマを学生の中で互いに発表し合う。そして,5月の連休明けにテーマを提出させる。

学生の提出したテーマを3人の専任教員の専門別に各5人ずつ担当することとしている。担当教員は5人を集め,今後の研究の仕方についてディスカッションする。その後研究計画書を提出させ,本格的な研究に入る(訪問時に『公衆衛生看護学研究』を参照されたい)。

 

【分析結果とその根拠理由】

専攻科で修業するにふさわしい研究指導が行われていると判断できる。

 

観点5−7−1: 教育の目的に応じた成績評価基準や修了認定基準が組織として策定され,学生に周知されているか。

 

【観点に係る状況】

教育目的に応じた成績評価基準は,「新見公立短期大学履修規程」にのっとっている(別添資料5−2参照)。修了認定については,所定の単位を修得した学生につき,学長が教授会の議を経て修了を認定する旨,学則第4849条に規定されている(別添資料5−1参照)。

以上の諸点を入学当初のガイダンスにおいて学生に周知している。

 

【分析結果とその根拠理由】

上記基準を満たすと判断できる。

 

 

観点5−7−2: 成績評価基準や修了認定基準に従って,成績評価,単位認定,修了認定が適切に実施されているか。

 

【観点に係る状況】

地域看護学専攻科における具体的な成績評価は,担当教員により,試験(小テスト含む),論文,レポート,平常学習状況(グループワークへの参加態度),実習内容,授業への出席状況などから総合評価し,4段 階評価で行われる。臨地実習では公衆衛生看護学実習?Tとして某町をフィールドにした実習,公衆衛生看護学実習?Uでは保健所・市町村での実習,事業所,学校 等がある。それぞれの場において自分自身の目標への到達度,実習目標に応じた実習先指導者のコメント,自己評価,記録等を総合して評価している。成績評価 基準の明確化,厳格な成績評価の実施などのため,学則に基づき平成14年度入学生より実施しているGPAを実施しているため,平成16年開設の地域看護学専攻科でも同様に実施した。

学生は,総授業時間数の3分の2以上出席しないと単位を修得することができないと明記されているが,当専攻科では忌引き,就職試験以外で欠席する学生はほとんどいない。病気等のやむをえない理由による追試験,試験が不合格である学生には再試験を実施している。

また,修了要件である「地域看護学研究」は,充実した成果をあげていると認められる。修了認定は規定どおり,教授会を経て行っている。

 

【分析結果とその根拠理由】

成績評価は,基準に基づいて行われている。筆記試験,レポート,実習内容及び授業への出席状況を総合して行われており,適切に成績評価,単位認定,修了認定を実施していると判断する。

 

 

観点5−7−3: 成績評価等の正確性を担保するための措置(例えば,学生からの成績評価に関する申立て等が考えられる。)が講じられているか。

 

【観点に係る状況】

 成績評価の正確性を担保とする取り組みとしては,学生本人が成績を指定のパソコンで閲覧でき確認できるシステムを取り入れている。

 成績評価に対する問い合わせや疑問などがある場合には,成績開示後10日以内に成績評価を行った担当教員に対して成績評価の方法や内容などについて問い合わせることができる。担当教員から十分な回答が得られない場合には,学務課に申し出ることができる。

 

【分析結果とその根拠理由】

 成績評価の正確性については,学生の異議申し立てについてシラバスに明記しており,どのように対応したかは教務委員会に報告されている。また,改善を図る目的で教授会等において教員全員に報告されており,学生に対する措置がされていると判断する。

 

 

(2)優れた点及び改善を要する点

 

【優れた点】

各 教科目による専門教育において,短期大学ながら卒業論文などの研究活動を促進して,各課程に係る職種の専門性涵養に努めている。教科目以外の学習研究活動 や地域と連携したボランティア活動を通じた学習機会が豊富であり,地域の公立短大としての特長や使命にかんがみた教育内容・方法に留意している。

教育課程の目的に従った教育内容・方法として,保健・医療・福祉・保育の現場の職員を非常勤のスタッフとして活用して,実習などの指導を緊密に行っており,学生一人一人の実践的力量の育成に成果をあげている。

 

【改善を要する点】

各 領域・科目間において教育内容に関する連携と調整が必要である。また学科により多少事情が異なるが,過密なカリキュラムの中で,自主的で自由な学習活動, 社会体験などを深める時間が不足している。教育内容の合理的な整理・再編成と,自主的で自由な学習を促す教育方法の開発が求められる。

ま た,各課程の特徴的なプログラムや活動が進められているものの,それらを本学の教育目的に照らして統合し,改善していくような意識が明確とはいえない。個 々の活動を,全学的な教育課程の中に改めて位置づけ,それらの活動の成果を検証して,積み重ねと改善を進めていく必要があるだろう。

 

 

(3)基準5の自己評価の概要

 

各学科・専攻科とも,関連諸法令等および本学の教育目的に基づいて教育課程を編成しており,よき社会人としての教養教育と質の高い専門職としての専門教育のバランスに配慮した教育課程となっており,必要に応じて見直しを行っている。

 授業内容は,教育課程編成の趣旨にしたがって編成されており,概ね充実しているといえるが,さらに各領域・各科目間における連携による改善が求められる。

各学科・専攻科における研究活動は,授業内容に相当程度反映されており,専門職養成に成果をあげている。

他 校との間の単位互換は地理的理由により実現しておらず,インターンシップは実施していないが,各学科・専攻科とも学外実習が,現場での学習や進路について 考える機会になっている。卒業研究など,他短大にほとんど見られない,主体的な研究活動が行われており,専門職養成における成果が大きく,単位の実質化に 寄与しているといえる。一方で,多様な学生の学習成果の確保と自主的な学習活動を促す取組みについては,今後さらに具体的に進めていく必要があろう。

授業形態は,講義・演習・実習が教育目的に照らして適切に配当・運営されており,バランスに配慮されている。

 シラバスは教育課程の編成の趣旨にしたがって作成されており,年度始めに学生に配布され,履修指導に活用されている。

 実習室の開放や図書館の開館時間の延長により自主学習の時間の確保に努めているが,基礎学力が不足している学生への指導は部分的な取り組みにとどまっている。

 成績評価基準,卒業認定基準および既得単位の認定は,学則に基づき実施しており,その内容は,学生便覧およびシラバスに明示されており,ガイダンス等において学生に周知している。

 成績評価の妥当性を担保するための取り組みとして,異議申し立てのシステムを策定しているが,成績の分布などの分析によってより正確な履修状況の把握が必要である。


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